世界遺産とは

今や観光地としても人気の世界遺産。

世界遺産は、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)で1972年に採択された世界遺産条約(世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約)の定義に基づいて登録されます。

対象となるものは、地球の生成や人類によって生み出され、過去から未来にかけて人類が共有していくべき「顕著な普遍的価値をもつ」自然や景観、文化財(建築物など)。そして、その場所から動かすことができない“不動産”であることが条件。

その区分は“自然遺産”“文化遺産”、そして両者を併せ持った“複合遺産”です。

同じくユネスコの条約に基づいたもので無形文化遺産もありますが、こちらは民族音楽や舞踏、祭り、儀式、慣習などを対象としており、世界遺産には含まれません。

2018年4月現在の条約締約国は193カ国、日本は1992年に条約に加盟しました。

登録されている世界遺産の数は1,000以上。毎年、世界各国から申請された45件(2020年からは35件が上限)が審議され、その内で通ったもののみ正式登録されます。

世界遺産は人類、地球にとってかけがえのない宝物。そのため、登録を機にそれを一目見ようと多くの人が訪れ、観光地として活性される場合が多くあります。

しかし、世界遺産は恒久的なものではありません。登録理由となった資産が失われた場合は登録を抹消される場合があります。

具体的には、2007年にオマーンの「アラビアオリックスの保護区」が保護区の大幅な縮小及び、政府の開発優先の姿勢から抹消。2009年、ドイツの「ドレスデン・エルベ渓谷」が渋滞緩和を目的とした橋をエルベ川に架けたことが景観を損ねるということで登録を抹消になりました。

最近では、オーストリアの「ウィーン歴史地区」に高層ビルの建設計画が出されたことにより、景観を壊すとしてユネスコから抹消を警告され、“危機遺産”のリストに加えられました。

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世界遺産検定

日本では世界遺産への理解と知識を深めることを目的として、世界遺産検定が実施されています。これはNPO法人世界遺産アカデミーが主催する検定試験であり、文部科学省は後援していますが、ユネスコに付属するものでも公的なものではありません。

階級は“マイスター”を頂点に1級から4級までの5段階。試験方法はマーク方式をとっており、マイスターのみ論文提出です。

初年度は2006年、以降、一年間に数回全国各地で試験を実施しています。

2018年の日程は下記のとおりです。

〇第31回検定
日程:2018年3月11日(日)
実施級:2級、3級、4級

〇第32回検定
日程:2018年7月8日(日)
実施級:マイスター、1級、2級、3級、4級

〇第33回検定
日程:2018年9月9日(日)
実施級:2級、3級、4級

〇第34回検定
日程:2018年12月16日(日)
実施級:マイスター、1級、2級、3級、4級

受験の詳細については、世界遺産検定ホームページ内の実施概要をご覧ください。
https://www.sekaken.jp/outline/#ryokin

受験料は3,000円から19,000円までと階級ごとに異なっています。また、受験料の一部はユネスコの世界遺産基金へ寄付され、世界遺産保全活動に活用されているとのこと。

受験者の年代は10歳未満から90代までと幅広い年代層に分かれ、この内、10代から30代は8割を超えています。これは世界の地理歴史や宗教、芸術から生物学、自然科学に至るまで幅広い視野を学ぶことを目的として一部の中学・高校から団体受験をしているからです。

また、世界遺産の多くが観光地として人気となるため、旅行会社では世界遺産検定の認定保持が推奨される傾向にあります。

世界遺産 日本

2018年4月現在、日本国内で登録されている世界遺産は下記の21件です。
※()内は区分と登録年

法隆寺地域の仏教建造物(文化:1993)
姫路城(文化:1993)
屋久島(自然:1993)
白神山地(自然:1993)
古都京都の文化財(京都市、宇治市、大津市)(文化:1994)
白川郷・五箇山の合掌造り集落(文化:1995)
原爆ドーム(文化:1996)
厳島神社(文化:1996)
古都奈良の文化財(文化:1998)
日光の社寺(文化:1999)
琉球王国のグスク及び関連資産群(文化:2000)
紀伊山地の霊場と参詣道(文化:2004)
知床(自然:2005)
石見銀山遺跡とその文化的景観(文化:2007)
平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群(文化:2011)
小笠原諸島(自然:2011)
富士山-信仰の対象と芸術の源泉(文化:2013)
富岡製糸場と絹産業遺跡群(文化:2014)
明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業(文化:2015)
ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献(文化:2016)
「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺跡群(文化:2017)

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日本の象徴ともいえる富士山の世界遺産登録への動きは当初、自然遺産としてのもの。

1994年に240万人もの署名を集めて国会へ請願しましたが、「あまりにも開発が進んでいる」「観光客が多く、ゴミが散乱している」などの理由から推薦されず。

その後、ゴミ問題などを解消していき、さらに古来より信仰の対象であり、また数々の芸術作品の対象となったことから富士山域と周辺の浅間神社、河口湖や御師住宅など25カ所を含めた文化遺産として2013年に登録されました。

また、2016年に登録された「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献」には、日本の国立西洋美術館が含まれています。

これは、近代建築の巨匠ル・コルビュジエによる建築群をヨーロッパだけでなく、インドや日本といった複数の大陸に渡ったものを対象としており、大陸を跨いで登録された世界遺産として初めてのものです。

現在、日本では2018年の世界遺産登録への審査に向けて、文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」と自然遺産「奄美渡島、徳之島、沖縄東北部および西表島」の2候補の登録を推薦しています。

世界遺産 一覧

2018年4月現在、登録されている世界遺産は1073件。その内、文化遺産は832件、自然遺産は206件、複合遺産は35件です。

以下、各地域の件数をご紹介します。
※()内は区別とそれぞれの件数は国別の合算。国や大陸を跨いだものは重複しています。

ヨーロッパ(文化:427、自然:51、複合:10)
中東・南アジア(文化:124、自然:18、複合:3)
東アジア・東南アジア(文化:92、自然:31、複合:5)
アフリカ(文化:86、自然48:、複合:6)
北米・中米(文化:66、自然40、複合:4)
南米(文化:54、自然:20、複合:2)
オセアニア(文化:8、自然:16、複合:7)

参照:日本ユネスコ協会連盟ホームページ内、「世界遺産リスト」
http://www.unesco.or.jp/isan/list/

2018年の世界遺産委員会の会合はバーレーンで6月24日(日)から7月4日(水)にかけて予定されています。